Q1寿命はどのくらいですか。
A これはご使用になる環境によって大きく異なります。
モーターに関しては、DC12V、DC24V機種はいずれもDCブラシモーターを搭載しているため、ブラシの磨耗による寿命は避けられません。
あくまで目安として定格連続運転で約2,000時間ですが、これは止まってしまうまでの時間ではなく、性能がやや劣化するまでの時間とお考えください。また定格外運転や動・止の繰り返し運転時などでは大きく寿命が異なります。
ポンプ部に関しては、回転軸シールのゴム製Xリングに磨耗寿命があります。こちらもご使用になる流体や運転環境により異なります。
ポンプの個体差があるため参考値ですが、真水で吐出圧なしの連続運転で2,000時間以上シール漏れが発生していない実績はございます。
お客様にて装置などに搭載される場合は、ご使用環境下の運転にてご検討くださいますようお願いいたします。
Q2 耐熱・耐薬品性について教えてください。
A 本体やギアに使用されているPES(ポリエーテルサルフォン)は、耐熱連続使用温度が約180℃、接液構成部品中耐熱温度が一番低いのはNBRシールで約120℃です。
但しモーターの耐熱温度が約80℃ですので、短時間運転以外は軸を伝って熱伝導によるモーターの不具合が発生する場合がございます。高温の水や薬品を使用する際には、耐熱範囲でも十分な試行が必要です。
耐寒温度は-10℃程度です。モーターの保管温度に準じます。
耐薬品性につきましては、本体材質のPESは有機溶剤やハロゲン族の炭化水素(クロロホルム/トリクロロエチレンなど)には侵されるので使用できません。
部品の材質は各機種ページの仕様に掲載しておりますので、ご参照の上ご検討ください。
以上はあくまで一般的な指標ですので、耐熱・耐薬品性は温度・圧力・時間など実際の使用条件の要因により変化しますので十分テストしてからご使用ください。
Q3 流量調節をしたいのですが…
A 定格運転以上に流量を大きくしたい場合は、1ランク上の機種を選択していただくか、複数のポンプを設置していただくことをお薦めしております。
流量を少なくする場合は、定格消費電力運転内であれば吐出側に流量調節バルブを付けて流量を落とすことができます。
絞りすぎによりモーター定格運転を超えてしまう場合は、吐出側にリリーフ回路を設けていただき、送液方・リリーフ方に各々流量調節バルブを付けて、本来の送液方への流量を調節していただく方法があります。リリーフ方はできれば元のタンクまでリリーフされることをお薦めいたします。
またDC電源の電圧を下げてモーター回転数を調節し流量を落とす方法もありますが、DCブラシモーターの場合、モーターによってはブラシの不完全スパークによる残粉に湿度や静電気などの複数の要因が重なるとモーターが破損する場合が考えられます。
このような使い方はあくまでお客様の責任において行っていただきますようお願いいたします。
Q4 実際の吐出圧はどれくらいまで大丈夫ですか。
A 各ポンプの特性表をご参照いただき、各々定格消費電力を超えない範囲での定格吐出圧力内で連続運転されることをお薦めしております。
定格外運転はギアポンプの寿命を短くする原因になることがあります。
Q5 継手からチューブが抜けてしまうのですが…
A K54、K55型ポンプは成型加工の都合上、継手はストレート管になっています。通常は継手外径よりやや小さい内径6mmのチューブを圧入してパワーバンドで締めてご使用ください。特に高い吐出圧がかかる場合や流体が油など継手からチューブが抜けてしまう時は、継手を破損しない程度にさらに強いパワーバンドをご検討ください。
また接着材をご使用になる場合はPES樹脂がひび割れるものがありますので、事前に十分ご検討ください。
Q6 粉が混ざった液体に使用できますか。
A ギアポンプは歯車の回転により液体を搬送するポンプですので、固体の異物が混ざったものは搬送できません。
ギアが破損したり動かなくなることがあります。固体の異物が混ざる可能性のある場合は、必ずポンプ吸入前にフィルターなどを通してください。
微粒のものでも、それがガラスなどの硬いものであれば研磨剤の働きをしてしまい、ギアや本体、軸シールを著しく磨耗させてしまいます。
また柔らかくてつぶれる程度の異物でもギアなどに付着してポンプ内で乾燥した場合や、液体に溶解している成分が析出して固体になる場合も、同様に次回運転時にギアを傷める原因になることがあります。
Q7 液体の粘性はどれくらいのものまで大丈夫ですか。
A ニュートン流体ではオリーブ油程度(1,500cp)の粘度では問題なく液送でき、ハチミツ程度(3,000cp)では大きく定格運転を超えますが少量ずつなら液送可能です。
非ニュートン流体では粘度が高くてもマヨネーズ(15,000cp)のように液送可能なものもあります。(K54ポンプの場合)
いずれも実際の流体でお試しください。
また吸引側のチューブが潰れてしまう場合がありますので、チューブは耐圧仕様のものをご使用ください。
ポンプに液体が吸引されるまでの空運転はギア焼付きの原因となりますので、必ずご使用前に呼び水を行ってください。
Q8 どのくらい自吸、吐出しますか。
A ここでの自吸能力とは吸上げ能力(吸上げる高さ)を、また吐出能力とはポンプが押し出す能力(楊程)を意図しております。 K54、K55ポンプいずれも樹脂の成型品でクリアランスがあるため、吸引より吐出の用途に向いております。
●自吸能力
自吸能力は運転始動時の液送元タンクからポンプ内までの配管内の状態によって都度異なります。
(1)配管内が空で、ポンプ内が乾燥している状態。
例:初期設置後や長期休止後の運転始動時
⇒自吸能力 約2~10㎝
(2)配管内が空で、ポンプ内は濡れている状態。
例:元タンクが空になり空気を吸い込んだ直後の運転始動時
⇒自吸能力 約30~50㎝
(3)配管内~ポンプ内まで液体で満たされている状態。
⇒自吸能力 150㎝以上
上記(1)~(3)の自吸能力はいずれも配管内に抵抗要因がない環境(開放状態)で清水を使用した参考値です。
逆止弁や電磁弁、ノズルなどが配管内にあり、配管抵抗が増している環境での(1)(2)の場合、さらに自吸能力は低下します。
●吐出能力
清水を利用した場合の吐出能力は配管内ではほぼ定格吐出圧力に準じた吐出能力(楊程)を発揮します。
一般的には0.1MPa→約10㎝とされていますが、あくまでも計算上の数値であり、配管内が満水ではない場合や配管抵抗、使用環境により異なります。また配管外への噴出(噴水)の高さには当てはまりません。
Q9 ギアポンプの吐出側からの液だれを止める方法は…
A ギアポンプが送液元タンクと吐出側より高い位置にあればサイホン現象が起きるため、ギアポンプの運転を停止すると吐出側から液だれがおきます。
液だれの防止には送液元タンクと吐出側がギアポンプよりも高くなるよう位置を変えていただく他、吐出側に逆止弁をつけていただく方法があります。
Q10 食品の液送に使えますか。
A コーヒーなどのベンディングマシーンにも使われているポンプですので、食品の液送にもご使用可能です。
但し粘性の高いものや、調味料などの粉末成分が含まれていたり、乾燥すると成分が析出するものは液送できません。
また初期稼動時のギア溶着をふせぐためシリコングリス(無害のもの)を使用しておりますので、初期溶出にご注意ください。
Q11 K54とK55はどこが違うのですか。
A ギアの大きさが違います。
K55の方がK54よりギア幅が大きいので、同じモーターを付けた場合K55の方が流量は多くなります。
ギアポンプはギアの回転によって液を送るポンプですので、ギアが大きければその分一回転あたりの液送量が多くなるためです。
吐出圧力に関しては、同じモーターで同じ回転数で運転した場合K54の方がギアが小さい分負荷がかかりません。
そのため吐出圧力がK55よりも高くなります。
Q12 ギアポンプをDC電源ではなくAC電源で使うにはどうしたらよいですか。
A 市販のAC/DC変換アダプタをご使用ください。ギアポンプはモーターのリード線による配線になりますので、配線方法はアダプタの取扱説明書に従ってください。
ギアポンプに吐出圧をかけると消費電流(A)も大きくなります。(各ギアポンプの【圧力・流量・消費電力特性】をご参照ください)また電源を入れた瞬間に大きな電流が流れますので(始動電流、突入電流)これを考慮して、ギアポンプの消費電流(A)よりアンペア数の大きいアダプタを選定いただくことをお薦めいたします。
Q13 ギアポンプの液流の方向を教えてください。
A モーターのリード線の±を正しく配線した時、K54はポンプ正面から見て左から右へ、K55はポンプ正面から見て右から左へ流れます。
±を逆に配線すると、液流方向も逆になります。
Q14 屋外や湿気の多い場所でもギアポンプを使えますか。
A 屋外でお使いになる場合は、雨が入らないよう箱などで覆ってください。
モーターは防水仕様ではないため、湿気の多い場所では結露したり、漏電の恐れがありますのでご注意ください。
Q15 ギアポンプをエアーの搬送用に使えますか。
A
K54とK55は液送用ポンプです。エアーを送ることは空運転と同じ状態ですので、瞬時にギアが焼付くことがあります。
Q16 ギアポンプの騒音はどれくらいですか。
A モーターの音に加え、ギアが回転してこすれるので騒音は発生します。
約40db前後です。
これはエアコンやファンヒーターの騒音と同じ程度です。
Q17 ギアポンプに圧力をかける方法は…
A 吐出側チューブをニードル弁で締め、流量を絞って圧力をかける方法があります。
ギアポンプは吸い込む圧力より吐出圧力の方が高いので、吐出側で絞った方が流量は安定します。
Q18 ギアポンプを車載で使いたいのですが…
A 車載での使用は、振動によってギアポンプの動作が不安定になる場合がありますので、ご了承ください。
Q19 吐出圧とはそもそも何ですか。入口側と出口側にそれぞれ圧力がかかる場合の吐出圧はどうなりますか。(例:入口0.5MPa、出口1.0MPaの場合)
A 吐出圧とは出口側から液体が排出される時にかかる圧力です。
入口側0.5MPaと出口側1.0MPaの圧力がかかる場合、
計算上は 1.0MPa - 0.5MPa = 0.5MPa の吐出圧が出口側にかかることになります。
これにポンプ自体の定格吐出圧が加わります。
ギアポンプPE1012Nは定格吐出圧0.15MPa以下、ギアポンプPE1212Nは定格吐出圧0.05MPa以下です。
PE1012Nなら 0.15MPa + 0.5MPa = 0.65MPa
PE1212Nなら 0.05MPa + 0.5MPa = 0.55MPa の圧力が出口側にかかることになります。
Q20 ギアポンプの使用後の保管はどのようにしたらよいですか。
A 流す液体によっては乾燥すると成分が析出してギアを傷めたり、ポンプの部材に影響を及ぼすことがあります。
そのような場合はポンプの使用後速やかに真水でポンプ内を洗浄してください。
また次回運転時までポンプ内が乾燥しないよう注意して保管してください。
Q21 灯油や重油、エンジンオイルには使えますか。(シールゴム変更について)
A オイル類の対薬品性については、お客様にて十分ご検討ください。
石油系に一般的にフッ素ゴムシールが適しているといわれています。ギアポンプ標準仕様の軸シールはNBRですが、フッ素ゴムシールに交換が可能ですので、ご相談ください。
ただしシール材には磨耗寿命があり、寿命を過ぎると液漏れすることがあります。オイルの液送時は引火しないよう設置の際十分ご注意ください。
尚、フッ素ゴムはNBRよりも材質的に硬いため、冬期やギアポンプの
ご使用場所が低温の場合はさらに硬くなることがあります。
Ⅹリングシール(軸シール)はポンプの軸に密着するようできて
おりますが、フッ素ゴムが硬く締まることにより、ごくわずか
ですが隙間ができ、吐出圧がかかるとそこから液漏れを起こす
ことがあります。
そのため、ギアポンプは必ず定格吐出圧以下でご使用ください。
ギアポンプ各機種の定格吐出圧は下記のとおりです。
| ギアポンプ | 定格吐出圧 |
|---|---|
| PE1012G | 0.10MPa以下 |
| PE1012N | 0.15MPa以下 |
| PE1212N | 0.05MPa以下 |
| PE1024N | 0.20MPa以下 |
| PE1224N | 0.10MPa以下 |
| PE1224N | 0.05MPa以下 |
| AK55F-S12C | 0.05MPa以下 |
Q22 ポンプの先にスプレーノズルをつけたいのですが…
A スプレーノズルで特に細かい霧状にスプレーするものは、少ない流量で高圧をかけて液体を噴霧しますので、ギアポンプが定格オーバー運転になるため装着できないことがあります。
(例)流量0.1L/min、0.3MPa以上の圧力をかけると霧状になるノズルをPE1012Nに付けたいという場合:
PE1012Nの定格吐出圧は0.15MPa以下、最大流量は0.9L/minです。
ノズル仕様の吐出圧0.3MPaはギアポンプでは定格オーバーです。高圧をかけるとポンプが止まって送液できなくなります。
また流量0.1L/minという流量もPE1012Nには少なすぎますので、このノズルを付けるのは無理ということになります。
ノズルの装着に関しては選定前に十分ご検討ください。
Q23 ギアポンプ台座の取り付け穴の寸法は?
A 約φ3㎜です。M3のネジを使って固定できます。AK55F-S12Cの台座の穴は約φ4㎜(M4のネジ用)です。
Q24 モーターの赤、黒のリード線は、どちらが+ですか。
A 赤が+です。
ギアポンプAK55F-S12Cはリード線がなく端子のみで、下側が+になります。
Q25 ギアポンプの仕様にある吐出圧、流量が出ません。故障でしょうか。
A まず電流値を測定してください。各ギアポンプの定格電流値以下になっているか確認してください。定格電流値をオーバーしていると正しく動作しない場合があります。
また配管の途中に三方弁をつけていたり、細いチューブを接続されますと、配管抵抗が高くなるため流量不足になることがあります。
Q26 ギアポンプはどのように置いて使用するのですか。
A ポンプは写真のように横置きにしてご使用ください。また横置きで90度回転する(継手が床面に対して垂直になる)置き方も可能です。この場合、左右の継手のどちらが上下になっても構いません。
どうしても縦置きにする場合は、必ずポンプ部が下側になるようにしてご使用ください。(モーターを下側に設置しますと結露や液体のにじみがモーター内に入りモーターが破損する場合があります。)
